肩ロースのトンテキ、週2で食べている。女将さんもわかっていて特に脂巻のいいやつを焼いてくれる。というか肉屋に巻のいいやつを発注してるのではないかと思うくらいだ。
店にはもともとトンテキなどというメニューはなく、トンカツの仕込みを見ていた僕は「パンはいらんけんそのまま塩コショウで焼いて」とお願いしたのがこの店でのトンテキの始まり。
トンテキにソースなんていらない。その代わりに焼いたときに溶け出る脂を絡めて出してもらう。本当ならフライパンに溶け出た脂を焼きあがったトンテキにソース代わりにかけて欲しいくらいなのだが、一度やってみたがさすがにこれはキツかったのでやめた。
肝臓、心臓など臓器には月が部首となっている部位が多い。これは宇宙の月とは関係なく肉が変形して月の形になったそうだ。要するに肉旨が月旨となって脂となっているわけで、先人も遥か昔より肉の旨さは脂ということを認知し漢字にして表現している。この表現のセンスの良さは天才的だと思うわけだ。肉の旨さは脂に在りなのだ。